ファセット分類
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解説 uri
ファセット分類とは、メタデータとその指標であるファセットを用いた分類方法。分析合成型分類。
品物にタグや印(ファセット値)を付け、大きな箱に入れるイメージ。取り出すときは、タグや印を基準にして取り出す。この検索方法を特にファセット検索という。
「ファセットの値」は正確には「フォーカス」というが、日本では浸透してないので、当サイトでは、説明を簡略化するために「ファセット値」で代用します。
「ファセット」と「ファセット値」の関係は、「ファセット」ページを参照。
従来の分類方法との相違 uri
階層型分類は、ファセット分類の限定版。であり、以下の公式が成り立つ。
ファセットを用いて分類することで、さまざまな視点に対応した検索が可能になる。デメリットとして、準備が大変なのと、静的なHTMLコンテンツでは実現が不可能な点で大規模サイト以外では実装が難しい。
しかし最近ではオープン系のCMSが発達しており、Wordpressをはじめ、気軽に実装できる環境が整ってきた。
ただし「実装できる」からといって何でもかんでもファセット分類するのは、システムオリエンテッドだとおもう。
デザイニング・ウェブナビゲーション ―最適なユーザーエクスペリエンスの設計との解釈の違い uri
オライリーのデザイニング・ウェブナビゲーション(ヤマネコ)では、「ファセット型」という言葉を使って、ファセット分類的なアプローチに対する説明があります。
しかし、「ファセットは相互排他的なカテゴリーである」という記述から見る通り、当サイトとの齟齬がある。言葉の定義に相違があるからだと思います。
つまり、「ファセット分類」と「ファセット型なにがし」は別物。
実際、「原産地」「生産地」みたいな亜種ファセットや「原産国」「原産県」「原産村」のような包括関係・階層化されたファセットは実在する。
本来のファセット分類には、そのような制約は必要無く、むしろ相互排他性がない方が、ポテンシャルを活かすことができる。
ファセット分類の始め方 uri
論理的区分の規則をあえて無視するところから始まります。
つまり、
- 統一的な視点だけでなく、いろんな視点から分類する。
- 相互排他的でなくてもOK
- 全体を網羅しなくてもOK
こうやって、分類されるものに内在する属性や位置づけを洗いざらい出していきます。ブレストです。
次に、有用と思われる視点(ファセット)をいくつか決め、各対象の属性値(ファセット値/フォーカス)を決定します。
上にも書きましたが、できるだけ視点を変化させた方が面白いです。LATCH(SLATCH/SP-LATCH)を活用して、考えられる限りのファセット・ファセット値を出してみてください。
ネコであれば、
- 分類学的分類(Category)
- 哺乳綱、獣亜綱、ローラシア獣上目、ネコ目、ネコ科、ネコ属
- 身体的尺度(Hierarchy)
- 50cmぐらい、3kg〜10kg
- 色
- 三毛/黒/グレー/トラ柄/ハチ割れ/サバ/サビ/ベタ塗り
- 分布(Location/Space)
- 日本/世界中
- Alphabet
- c、ネ、猫
- その他
- 愛玩動物・・干支には入らない・不吉など
ひとつのファセットに、複数のファセット値を持つことができます。この辺も階層型分類とは違う。
実用 uri
ファセット分類を用いた代表的なアプリケーションとしては、iTunesがある(iPhotoも優秀。spotlightは言わずもがな)。iTunesでは「曲名」「アーティスト」「アルバム名」「ジャンル」「リリース年」「ファイルサイズ」「ビットレート」「再生回数」などの複数のファセットで検索、絞込みが出来る。
また、これらの検索条件を「スマートリスト」として保存でき、いつでも結果を取り出せるようになっている。新しく曲を追加した場合でも検索条件に一致するのであれば、動的に更新される。
一方Webでは uri
Webサイトでの活用例として料理レシピがある。料理のレシピを材料で検索するのか、所要時間で検索するのかで取得できる結果は違ってくる。うまく使えばこれほど柔軟な検索システムはないが、現在のところWeb上でファセットの絞込みなどはあまり見ない(あっても巧く使えてない)。Webのサービスでファセット分類をうまく使っている例として、G-mailとdel.icio.usがある。
G-mail uri
G-mailでは、それぞれのメール一つ一つにラベル(「仕事」とか「アカウント」とか。自分で自由に作る事が出来る)を適用し、その情報をもとに検索出来るようになっている。
ラベルの設定や検索などの操作がイマイチ洗練されていないので、うまくファセット分類を使えているのかは疑問。今後に期待。
G-mailではメタデータの事を「ラベル」と読んでいるが、タグ・システムという言葉もあるし、タグ=tagと呼んだ方がいいのかもしれない。
タグの例・Wikiウサギ内のタグ uri
del.icio.us(デリシャス) uri
del.icio.usは、ファセット分類を使用したブックマークサービス。ディレクトリ形式での管理ではなく、キーワード(ファセット)を指定して保存するのみ。(タグをつけて放り込むイメージ)
ブックマークを取り出すときは、保存したときのキーワードで絞込みをおこなって取り出す。
他のユーザとキーワードを共有したり、自分のブックマークに取り込んだりとファセット分類ならではのデータ共有が可能。
これを特にフォークソノミーといいます。
コロン分類法 uri
ファセット分類は歴史的にみてもメジャーではなく、代表的な例といえばコロン分類法というものがあげられる程度です。
分類学からの出発―プラトンからコンピュータへに詳しいのですが、インドの図書館で使用されているらしいです。
ここで説明したファセット分類よりも、もっと厳密な手続きがありますが、やはりなかなかどうしてそのポテンシャルを活かしきれていない模様。
ファセット分類は、コンピューターという強力な検索装置があってこそのシステムと言えます。
人間の脳みその話 uri
コンピュータの処理速度やネットワークの通信速度などが高速となり、ハードディスクやメディアの記憶容量も肥大化してきた最近では、従来どおりの階層型分類では人間の脳みそが追いつかない(多量のカテゴリー、深すぎる階層深度、詳細すぎる分類)ので、メタデータをもたせるだけのファセット分類に注目しています。
AppleはOS全体でスマートリストという概念を導入。階層型分類から脱しようとしています。
Windows次期OSのLonghornはこれを実装するとかしないとか。しませんでしたね。
梅棹 忠夫氏の知的生産の技術や野口 悠紀雄氏の「超」整理法などにも記述があるとおり、原理的に情報は厳密には分類することはできません。
ファセット分類が注目されているのも、先人が警鐘を鳴らし、今まさに技術がそれに追いつこうとしている証拠なのかもしれません。
今後のWeb構築がデータベースを前提に構築されるとなると、全てのサイトでファセット分類を取り入れることになる日も近い気がします。
パラダイムシフトが起こる予兆でしょうね。
ファセット分類のデメリット uri
ファセット分類のデメリットを書いておきます。このあたりは別にページを設けてもう少し掘り下げてみようかと思っています。
- ユーザのメンタルモデルを形成しにくい。階層型分類のほうがわかりやすい。
- 現実世界に存在しづらい概念なため、ユーザが慣れていない。iTunesをはじめて使ったときのように…。慣れればこれほど便利なものはないのですが。
- 情報同士のつながり表現が難しい。基本的にファセット分類された情報は、単独で存在するため、それぞれのファセットを有する別の情報の表現が難しいと言うこと。「スマートプレイリスト」は一つの解法。
ファセット分類を採用しているアプリケーション uri
関連用語 uri
- Alphabet
- Category
- Hierarchy
- LATCH
- Location
- People
- SLATCH
- SP-LATCH
- Story
- Time
- Web構築のワークフロー
- その他・雑
- アイコン辞典/タグ
- カテゴリー
- カモノハシ問題
- コンテンツ
- システムオリエンテッド
- タグ
- タグ・システム
- データ
- デザインの体系化
- ファセット
- ファセット値
- フォーカス
- フォークソノミー
- メタデータ
- メンタルモデル
- 階層型分類
- 情報
- 製作メモ
- 組織化スキーム
- 表現
- 分析合成型分類
- 分類の種類
- 用語辞典/ファセット分類
- 列挙型分類
- 論理的区分の規則
参考 uri
- 分類学からの出発―プラトンからコンピュータへ
- 梅棹 忠夫氏 知的生産の技術
- 野口 悠紀雄氏 「超」整理法
- デザイニング・ウェブナビゲーション ―最適なユーザーエクスペリエンスの設計
- del.icio.us
- G-mail
- Flickr
- ニコニコ動画(RC)
- YouTube - Broadcast Yourself
- Technorati
- IT総合情報ポータル「ITmedia」
- ZDNet Japan(記事がタグ情報を持っています。複合的な使い方はできていませんが。)
- ファセット分類およびそのWebへの適用について。
このページの最終更新日: 2009-11-06 (金) 10:21:07
